犬の食物アレルギーが疑われる場合、フードの切り替えはどうする?

犬の食物アレルギーが疑われる場合、フードの切り替えはどうする?

犬の食物アレルギーが疑われるときは、自己判断で次々にフードを替えるのではなく、まず動物病院で相談し、原因を確かめるための「除去食試験」を行うのが基本です。切り替え方は、胃腸への負担を抑える通常の変更と、検査の正確さを優先する変更で異なるため、獣医師の指示に従ってください。

食物アレルギーが疑われる犬のフード切り替え方法

動物病院で除去食試験を行う場合は、指定された療法食、またはこれまで食べていない原材料を使った食事だけに切り替えます。試験中に別の食べ物が混ざると、症状が改善しない原因を判断できなくなるため、少量のおやつや人の食べ物も与えないことが重要です。

一方、単に市販フードから別のフードへ変更するだけなら、一般的には数日から1週間ほどかけて少しずつ切り替えます。ただし、食物アレルギーの確認が目的なら、切り替え期間そのものを含めた食事内容を獣医師に確認してください。

まず動物病院を受診したほうがよい理由

犬のかゆみ、皮膚の赤み、外耳炎、嘔吐、下痢などは、食物アレルギーだけで起こるとは限りません。ノミやダニ、細菌・真菌、環境中のアレルゲン、感染症、消化器の病気などでも似た症状が見られます。

食物アレルギーかどうかは、症状だけで確定できないことがあります。血液検査や皮膚検査だけで食物アレルギーを確定できるとは限らず、食事を管理して症状の変化を確認する除去食試験と、必要に応じた再摂取で判断することがあります。

除去食試験でのフード切り替え手順

除去食試験は、原因になっている可能性のある食材を避け、症状が改善するかを確認する方法です。具体的なフードの種類や期間は、犬の症状、これまで食べた原材料、年齢、持病によって変わります。

  1. 現在の症状と食べたものを記録する

    皮膚のかゆみ、耳の症状、便の状態、嘔吐の有無、現在のフード名、おやつ、サプリメント、投薬などを整理します。療法食を選ぶ際に、これまで食べた原材料の情報が役立ちます。

  2. 獣医師と試験に使う食事を決める

    動物病院では、加水分解たんぱく質を使った療法食や、これまで食べていないたんぱく質を使った食事などが候補になります。市販の「アレルギー対応」と表示されたフードでも、試験に適しているとは限らないため、自己判断で選ばないようにします。

  3. 決めた食事だけに切り替える

    切り替え期間を設けるか、すぐに変更するかは、獣医師の指示を優先します。通常のフード変更では、現在のフードに新しいフードを少量混ぜ、数日かけて新しいフードの割合を増やします。

  4. 食事以外の口に入るものも確認する

    おやつ、歯みがき用のおやつ、味付きの薬、サプリメント、家族の食べ物なども、除去食試験の結果に影響することがあります。与えてよいものを、開始前に獣医師へ確認します。

  5. 決められた期間、症状を記録する

    皮膚症状は消化器症状より改善に時間がかかることがあります。便、嘔吐、かゆみ、耳の状態、薬の使用状況を記録し、自己判断でフードを追加・変更しないでください。

  6. 改善後の確認を獣医師と行う

    症状が改善しても、それだけで特定の食材が原因と確定するわけではありません。必要に応じて元の食事や特定の原材料を再び与え、症状が戻るかを確認します。再摂取は症状が悪化する可能性があるため、獣医師の指示なしに行わないでください。

フードを替えるときに注意したいこと

市販の「アレルギー対応」だけで判断しない

「低アレルゲン」「アレルギー対応」と表示されたフードでも、犬が過去に食べた原材料を含んでいることがあります。また、原材料の種類や製造管理が除去食試験に適しているかは、商品ごとに確認が必要です。

特に、複数のたんぱく質や多くの原材料を使ったフードは、どの食材が影響したのか分かりにくくなることがあります。フードの袋や原材料表示を持参し、獣医師に見てもらうと判断しやすくなります。

手作り食を始めるときは栄養バランスに注意する

食物アレルギーを疑って、肉や魚などを単独で与え続けると、犬に必要な栄養素が不足するおそれがあります。手作り食を行う場合は、犬の年齢や体格、健康状態に合ったレシピを獣医師や動物栄養に詳しい専門家へ相談してください。

フードを短期間で何度も替えない

短期間で複数のフードを試すと、症状の変化と食材の関係を追いにくくなります。食べない、下痢をする、かゆみが強くなるなどの変化があれば、変更を繰り返すのではなく、食べた量や症状を記録して動物病院へ連絡します。

切り替え中に動物病院へ連絡する症状

次のような症状がある場合は、フードの変更を続ける前に動物病院へ相談してください。

  • 繰り返し吐く、または水も飲めない
  • 血便や黒い便が出る
  • 下痢が続き、元気がない
  • 顔や口の周りが急に腫れる
  • 呼吸が苦しそう、ぐったりしている
  • 強くかいて皮膚から出血している
  • 子犬や高齢犬で、食事や水分をほとんど取らない

顔の腫れや呼吸の異常、急激な体調悪化は緊急性がある場合があります。通常のフード切り替えによる胃腸の変化だと決めつけず、早めに受診してください。

犬の食物アレルギーでフードを切り替えるときの判断

原因の確認が目的なら、獣医師と除去食試験の内容を決め、指定された食事以外を与えないことがポイントです。通常のフード変更として切り替える場合は、胃腸の負担を抑えるために数日かけて移行しますが、検査の正確さを優先する場面では方法が変わることがあります。

最初に行うことは、現在のフード・おやつ・薬・症状の記録をまとめ、動物病院へ持参することです。改善しないからといってフードを次々に替えず、診断と切り替えの期間を獣医師と確認してください。