猫のシニア期の食事量は、年齢だけで一律に減らすのではなく、体重・体型・活動量・フードのカロリー・持病をもとに決めます。目安量はフードの種類によって大きく変わるため、「1日何グラム」と年齢だけで判断することはできません。
まずはフードのパッケージにある給与量やカロリーを基準にし、体重と体型の変化を見ながら調整します。腎臓病や糖尿病などの病気がある猫は、量だけでなく食事内容も関係するため、動物病院で相談してください。
シニア猫の食事量は「必要カロリー」から考える
シニア猫の1日の食事量を考えるときは、グラム数よりも、まず1日に必要なカロリーを確認します。ドライフードとウェットフードでは、同じ100gでも含まれるカロリーが異なるためです。
必要カロリーの計算には、次の式が目安として使われます。
安静時エネルギー要求量(RER)=70×体重kg0.75
ただし、この計算値はあくまで出発点です。避妊・去勢の有無、運動量、体型、病気の有無などによって、実際に必要な量は変わります。
4kgの猫で計算した場合
仮に体重4kgの猫で計算すると、RERは約198kcalです。維持に必要なカロリーをRERの1.2〜1.4倍と仮定すると、約238〜277kcalが計算上の範囲になります。
ただし、これは特定の猫にそのまま当てはめる処方量ではありません。痩せている猫、運動量が多い猫、病気のある猫では、別の調整が必要になることがあります。
フードの種類によって必要なグラム数は変わる
同じ約240kcalを与える場合でも、フードのカロリー密度によって必要な量は変わります。次は計算例です。
| フードの表示カロリー | 約240kcalに必要な量 |
|---|---|
| ドライフード:400kcal/100g | 約60g |
| ドライフード:350kcal/100g | 約69g |
| ウェットフード:80kcal/100g | 約300g |
計算式は、必要カロリー÷フード1gあたりのカロリーです。上の表は「約240kcalを与える」という仮定で計算した例であり、実際の給与量は猫の状態と商品の表示に合わせて決めます。
フードのパッケージでは、「代謝エネルギー」「ME」「kcal/100g」「kcal/袋」などの表示を確認します。表示単位が異なる場合は、単位をそろえてから計算してください。
シニア猫だからといって食事量を必ず減らす必要はない
シニア期には活動量が減って太りやすくなる猫がいる一方、筋肉量や消化吸収の変化などにより、体重が落ちやすくなる猫もいます。そのため、「高齢になったら一律に食事量を減らす」という考え方は適切ではありません。
特に、食べているのに痩せる、食欲が落ちる、食べる量にむらがあるといった変化がある場合は、単なる老化ではなく病気が関係している可能性もあります。食事量を減らす前に、体重や体調を確認しましょう。
適量かどうかは体重と体型の変化で確認する
食事量が合っているかは、給与量の数字だけでなく、定期的な体重と体型の変化で判断します。次の点を確認してください。
- 体重が急に増えたり減ったりしていないか
- 肋骨に軽く触れられるか
- 上から見たときに腰のくびれがあるか
- 背中や腰の筋肉が落ちていないか
- 食べ残しや間食の量を含めて、1日の摂取量を把握できているか
体重は、同じ条件で定期的に測ると変化を確認しやすくなります。体重が増えているなら少しずつ量を見直し、減っているなら食事量だけでなく、口の痛みや病気、食べにくさがないかを確認します。
シニア猫の食事量を調整する手順
- 猫の現在の体重と、太り気味・標準・痩せ気味などの体型を確認します。
- フードのパッケージで、100gあたりまたは1袋あたりのカロリーを確認します。
- 給与量だけでなく、おやつやトッピングも含めた1日の摂取量を記録します。
- 最初は表示量や獣医師から指示された量を基準にして、毎日同じ量を計量します。
- 体重、食欲、便、飲水量、吐く回数などを記録し、変化を見ます。
- 体重や体型が変化する場合は、急に大きく減らさず、動物病院やフードの相談窓口に確認します。
食事は1日1回にまとめるより、複数回に分けたほうが食べやすい猫もいます。食欲が落ちている猫では、フードの温度や器の高さ、粒の大きさが食べにくさにつながっていないかも確認します。
食事量より先に動物病院へ相談したほうがよい変化
次のような変化がある場合は、自己判断で食事量だけを調整せず、動物病院に相談してください。
- 短期間で体重が減った
- 急に食べなくなった、または食欲が極端に増えた
- 水を飲む量や尿の量が増えた
- 繰り返し吐く、下痢が続く
- 食べたそうにするのに、口を痛がって食べられない
- 元気がない、動きたがらない
シニア猫では、腎臓、歯や口、甲状腺、消化器などの問題が食欲や体重に影響することがあります。持病がある場合は、一般的なシニア用フードが適しているとは限らないため、獣医師の指示を優先してください。
シニア猫の食事量の目安を決めるポイント
シニア猫の食事量は、年齢だけで決めるのではなく、フードのカロリー表示を確認し、体重と体型の変化を見ながら調整するのが基本です。4kgの猫で約240kcalという計算例はありますが、実際の必要量には個体差があります。
まずは現在の体重、1日のフード量、フードのカロリーを記録してください。痩せる、太る、食欲が変わるなどの変化がある場合は、食事量を大きく変える前に動物病院で原因を確認することが大切です。







