猫の食物アレルギーの見分け方は?

猫の食物アレルギーの見分け方は?

猫の食物アレルギーは、かゆみや皮膚炎、嘔吐・下痢などの症状だけでは見分けられません。ノミ、環境アレルギー、感染症、ほかの病気でも似た症状が出るため、動物病院でほかの原因を確認しながら、必要に応じて除去食試験を行って判断します。

猫の食物アレルギーで見られやすい症状

食物アレルギーでは、皮膚の症状と消化器の症状が単独または同時に現れることがあります。特に、頭や首を中心としたかゆみは、判断材料の一つです。

  • 頭、首、耳などをしきりにかく
  • 毛をなめたり、かんだりする
  • 赤いぶつぶつ、かさぶた、脱毛がある
  • 耳の炎症や汚れが繰り返す
  • 嘔吐、軟便、下痢が続く
  • 食欲や体重が落ちる

ただし、これらは食物アレルギーに特有の症状ではありません。症状が出た時期、食事の内容、ノミ予防の状況、症状が続く期間などを合わせて考える必要があります。

食物アレルギーかどうかを見分ける手順

1. 症状と食事の変化を記録する

まず、いつからどの症状が出たのかを記録します。食べたフードやおやつ、投薬、サプリメントも含め、原材料が分かる場合は商品名とともに控えてください。

  • かゆみ、発疹、嘔吐、下痢が始まった日
  • 主食、おやつ、トッピングの種類
  • フードを変更した日
  • 症状が強くなる時間帯や食後の変化
  • ノミ・ダニ予防を行った時期

食後すぐに症状が出るとは限らないため、食べた直後に異常がないからといって、食物アレルギーを否定はできません。

2. 動物病院でほかの原因を確認する

食物アレルギーを疑っても、先にノミ、寄生虫、細菌や真菌の感染、環境アレルギーなどを確認します。皮膚の状態によっては、皮膚の検査や耳の検査などが必要になることがあります。

特に、首や背中にかさぶたがある場合は、食物アレルギーだけでなくノミによるアレルギーも候補になります。室内飼いの猫でもノミの影響を受ける可能性があるため、生活環境や予防状況を獣医師に伝えましょう。

3. 獣医師の指示で除去食試験を行う

食物アレルギーの確認では、一定期間、これまで食べていない原材料のフードや、たんぱく質を細かく分解した療法食を与え、症状が改善するかを確認する方法があります。これを除去食試験といいます。

除去食試験の期間やフードの種類は、症状や猫の状態によって異なります。一般的には数週間単位で続けて変化を確認しますが、自己判断で短期間にフードを次々と変えると、正しく判断しにくくなります。

試験中は、主食だけでなく次のものも影響する可能性があります。

  • おやつ
  • 人の食べ物
  • トッピング
  • 味付きの薬やサプリメント
  • ほかの猫のフード

除去食試験中に別の食べ物を与えると、改善しなかった原因を判断できなくなることがあります。与えてよいものと量は、開始前に動物病院へ確認してください。

4. 改善と再発の関係を獣医師と確認する

除去食で症状が改善した場合でも、それだけで食物アレルギーと確定するとは限りません。元のフードに戻したときに症状が再び出るかなどを、猫の体調を見ながら獣医師と確認して診断します。

自己判断で元のフードに戻すと症状が悪化することがあるため、再度食べさせる試験を行うかどうかは、必ず獣医師に相談してください。

市販の検査だけで食物アレルギーを判断できる?

食物アレルギーを調べる検査として、血液や毛などを使う検査を見かけることがあります。しかし、検査結果だけで実際に症状の原因となっている食材を確定できるとは限りません。

そのため、検査を受ける場合も、結果だけでフードを決めず、症状や食事の記録、動物病院での診察、除去食試験などと合わせて判断します。

食物アレルギーを疑ったときに避けたい対応

  • 数日ごとにフードを変更する
  • 原材料を確認せず、おやつやトッピングを与える
  • 人用の薬や市販薬を自己判断で使う
  • 手作り食だけに変更し、栄養の偏りを確認しない
  • かゆみが続いているのに、食事だけで様子を見続ける

フードを変更する場合も、急な変更で消化器症状が出ることがあります。療法食を使うか、市販食を選ぶかを含め、猫の年齢、持病、体重、症状に合わせて獣医師に相談してください。

すぐに動物病院へ相談したい症状

次の症状がある場合は、食物アレルギーかどうかの確認よりも、早めの診察を優先します。

  • 顔や口の周りが急に腫れた
  • 呼吸が苦しそう
  • ぐったりしている、意識がぼんやりしている
  • 繰り返し吐く
  • 水も飲めない、食事が取れない
  • 血便や黒い便がある
  • 皮膚をかき壊して出血している

猫の食物アレルギーは、症状の種類だけで確定することはできません。症状と食事を記録し、ノミや感染症などを確認したうえで、獣医師の指示に沿って除去食試験を行うのが基本的な見分け方です。