猫の食欲不振は、まったく食べない状態が24時間続いたら、早めに動物病院へ相談・受診するのが目安です。子猫、高齢猫、持病がある猫、肥満の猫は悪化しやすいため、食べる量が明らかに減った時点で、当日中の相談をおすすめします。
食欲不振は、口の痛みや胃腸の不調だけでなく、腎臓病などの内科疾患や異物誤食のサインのこともあります。食べない時間だけでなく、元気や水分摂取、嘔吐・下痢などの症状も合わせて判断してください。
猫の食欲不振で受診する目安
| 状態 | 受診の目安 |
|---|---|
| 食べる量が少し減ったが、元気・水分摂取は普段どおり | 半日から1日ほど様子を見て、改善しなければ受診 |
| ほとんど食べない、またはまったく食べない | 成猫でも24時間以内を目安に動物病院へ相談 |
| 子猫、高齢猫、肥満の猫、持病や服薬中の猫 | 食欲が落ちた時点で、できれば当日中に相談 |
| 嘔吐・下痢、ぐったりしている、呼吸が苦しそうなどを伴う | 時間を置かず、早急に受診 |
上の時間は一律の決まりではなく、受診を遅らせないための目安です。普段から食事量が少ない猫や、少量でも毎日食べている猫では、いつもとの違いも重要な判断材料になります。
すぐに動物病院へ行くべき症状
食欲不振に次の症状がある場合は、24時間を待たずに受診してください。
- 何度も吐く、吐こうとするが吐けない
- 水を飲めない、飲んでも吐く
- ぐったりして動かない、反応が鈍い
- 呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸している
- お腹を痛がる、触られるのを嫌がる
- 下痢が続く、血便や血の混じった嘔吐がある
- 尿が出ない、トイレに何度も行くのに排尿できない
- 歯ぐきや白目が黄色い、歯ぐきが白っぽい
- ひも、薬、植物、洗剤などを口にした可能性がある
- 体温が低そう、体が冷たい、急に状態が悪くなった
特に尿が出ない状態は、オス猫などで起こる尿道閉塞の可能性があり、緊急性があります。誤食の可能性がある場合も、自己判断で吐かせず、食べた物・量・時間が分かる範囲で病院に伝えてください。
子猫や高齢猫は、食べない時間が短くても受診する
子猫は体力や蓄えが少なく、食べないことで短時間に状態が変化することがあります。離乳前の子猫や、元気がない子猫は、食事を拒否した時点で動物病院へ相談してください。
高齢猫も、腎臓病や甲状腺、口の中の病気などが隠れていることがあります。持病がある猫や薬を飲んでいる猫は、食欲不振が薬や病気の変化と関係する場合があるため、自己判断で薬を中止せず、主治医に連絡しましょう。
猫が食べないことで起こるリスク
猫は食べない状態が続くと、体に蓄えた脂肪を分解します。その結果、肝臓に脂肪がたまる「肝リピドーシス」につながることがあります。特に肥満の猫はリスクが高いとされるため、「水を飲めているから大丈夫」とは限りません。
食べない原因が口の痛みや吐き気の場合、無理に食べさせると嫌悪感が強くなったり、誤嚥につながったりするおそれがあります。数日間待って自然に戻るのを期待するのではなく、早めに原因を確認することが大切です。
受診までに確認しておくこと
動物病院では、食欲不振が始まった時期や、普段と比べた食事量の変化が診断の手がかりになります。受診前に、次の内容を記録しておくと伝えやすくなります。
- 最後に普段どおり食べた時刻
- その後に食べた量と、水を飲んだ量
- 嘔吐、下痢、咳、くしゃみなどの有無
- 尿と便の回数・量
- 元気や動き方の変化
- 新しいフード、薬、植物、洗剤などに触れた可能性
- 体重の変化や、以前からある病気
可能であれば、食事や嘔吐物、呼吸、歩き方などの様子を動画で記録すると、診察時の説明に役立つことがあります。
受診までの対応で避けたいこと
- 人間用の薬を飲ませる
- 水や食べ物を無理に流し込む
- 誤食した物を自己判断で吐かせる
- 食べない状態を数日間そのままにする
落ち着いている場合は、いつも食べているフードを少量だけ出し、静かで暖かい場所で休ませます。ただし、食べさせる工夫をしても食べない、吐く、元気がない場合は、工夫を続けず受診してください。
判断に迷ったときの結論
猫がまったく食べない場合は、成猫でも24時間以内を目安に動物病院へ相談します。子猫・高齢猫・肥満の猫・持病がある猫は、食欲が落ちた時点で早めに連絡し、嘔吐やぐったりしている、呼吸や排尿に異常がある場合は時間を待たずに受診してください。
まずは「最後に食べた時刻」と「水分・尿・元気の状態」を確認し、受診が必要か迷う場合は、かかりつけの動物病院へ電話で相談しましょう。







