犬の誤食では、嘔吐や下痢、よだれ、元気消失などが見られることがあります。ただし、症状がなくても、毒性のある物・薬・電池・尖った物などを食べた可能性がある場合は、すぐに動物病院へ電話して受診の要否を確認してください。
呼吸が苦しそう、けいれん、意識がぼんやりしている、繰り返し吐くなどの症状があるときは、時間を置かず救急対応が可能な動物病院を受診します。誤食した物の種類、量、時刻、犬の体重によって受診の目安は変わります。
犬が誤食したときに見られる主な症状
症状は、食べた物や量、犬の体格、誤食からの経過時間によって異なります。次の症状が一つでもあれば、動物病院へ相談してください。
- 嘔吐、吐こうとする動作を繰り返す
- 下痢、血便、黒い便
- よだれが多い、口を気にする
- 食欲がない、元気がない、ぐったりしている
- 落ち着きがない、震える、ふらつく
- お腹を痛がる、背中を丸める
- 水を大量に飲む、尿の量や回数が変わる
- 呼吸が速い、苦しそうに呼吸する
- 歯ぐきや舌の色が白い、青紫色、黄色っぽい
誤食による症状はすぐに出るとは限りません。症状が出るまで時間がかかる物もあるため、「今は元気だから大丈夫」とは判断できません。
すぐに受診するべき症状
次の症状がある場合は、様子を見ずに動物病院へ連絡し、受診してください。移動中に状態が変化することもあるため、可能なら電話で誤食の内容を伝えてから向かいます。
- 呼吸が苦しそう、呼吸が止まりそう
- 意識がない、呼びかけへの反応が弱い
- けいれん、強い震え、立てない、歩けない
- 何度も吐く、吐血する、血便が出る
- 腹部が張っている、強い痛みを示す
- 歯ぐきが白い、青紫色、黄色っぽい
- 誤食後に急にぐったりした
- 喉に詰まらせたように苦しんでいる
意識がない、けいれんしている、呼吸が苦しそうな場合は、口の中に手や物を入れたり、水や食べ物を無理に与えたりしないでください。まず動物病院へ連絡し、指示を受けます。
症状がなくても早く相談が必要な誤食
次のような物は、少量でも犬の健康に影響する可能性があるため、症状がなくても動物病院へ相談する対象です。
- 人用の薬、サプリメント、殺虫剤、洗剤など
- チョコレート、カカオを含む食品
- キシリトールを含むガム、菓子、食品
- ぶどう、レーズン、ねぎ類など、犬に有害となる可能性がある食品
- たばこ、ニコチンを含む製品、アルコール
- 電池、磁石、針、串、骨、石など
- ビニール、ひも、おもちゃの部品など、詰まりやすい物
- 殺鼠剤や観葉植物など、成分を特定できない物
特に、電池や磁石、尖った物、ひも状の物は、消化管を傷つけたり詰まったりするおそれがあるため、症状がなくても早めの確認が必要です。食べた物が無害か分からない場合も、自己判断で様子を見ずに相談してください。
受診するか迷ったときの判断基準
次のいずれかに当てはまる場合は、受診または動物病院への電話相談を優先します。
- 食べた物の毒性や成分が分からない
- 食べた量が分からない、または多い
- 子犬、高齢犬、持病のある犬が誤食した
- 薬、化学製品、電池、磁石、尖った物を食べた可能性がある
- 誤食からの時間が短く、処置が必要になる可能性がある
- 嘔吐や下痢など、何らかの症状が出ている
反対に、犬用のおもちゃなどを少し噛んだだけに見えても、部品がなくなっている場合は、飲み込んでいないとは限りません。食べた物が体内に残っている可能性があるときは、症状が出るまで待たずに相談します。
誤食した直後にすること
飼い主が自宅で吐かせようとすると、食道を傷つけたり、吐いた物が気管に入ったりすることがあります。薬品や尖った物では、吐かせることで状態が悪化する場合もあるため、自己判断で吐かせないでください。
- 犬を誤食した物から離し、これ以上食べないようにする。
- 口の周りに付着した物があれば、無理に飲み込ませないよう注意して取り除く。
- 食べた物のパッケージ、成分表示、残った物、吐いた物があれば保管する。
- 誤食した時刻、推定量、犬の体重、現在の症状を整理する。
- 動物病院へ電話し、指示を受けてから受診する。
受診時は、誤食した可能性のある物の現物や包装を持参すると、成分や量の確認に役立ちます。写真を撮っておく方法もありますが、受診準備のために時間を使いすぎないでください。
してはいけない対応
- 塩や油、牛乳などを飲ませて吐かせる
- 人間用の薬を飲ませる
- 水や食べ物を無理に与える
- 症状がないからと長時間放置する
- インターネットの情報だけで、食べた量や犬の体重を考えずに判断する
吐かせる処置が適しているかどうかは、誤食した物、経過時間、犬の状態によって異なります。必要な処置は動物病院で判断してもらってください。
動物病院に伝える内容
電話や受付では、次の内容を伝えると判断が早くなります。
- 犬の年齢、体重、持病、服用中の薬
- 誤食した物の名前や商品名
- 食べたと考えられる量
- 誤食した時刻、または最後に確認した時刻
- 現在の症状と、症状が始まった時刻
- 吐いたかどうか、吐いた物の内容
誤食した物が特定できない場合も、「何を食べたか分からない」とそのまま伝えてください。分からない情報を推測して伝えるより、周囲にあった物やなくなっている物を説明する方が適切な判断につながります。
犬の誤食は、症状があるかどうかだけで受診の要否を決められません。まず誤食した物、量、時刻を確認し、毒性のある物や危険な異物の可能性がある場合は、症状がなくても動物病院へ連絡してください。呼吸困難、けいれん、意識障害、繰り返す嘔吐などがあれば、すぐに受診します。







