犬の早食いを防止するには、食べにくい形の食器を使い、1回分を小分けにして、落ち着いて食べられる環境を作る方法が有効です。ただし、急に早食いを始めた場合や、食後に吐く・むせる・体重が減るなどの症状がある場合は、食べ方だけの問題とは限らないため動物病院に相談してください。
犬の早食いを防止する主な方法
1. 早食い防止用の食器を使う
中央に突起や仕切りがある「早食い防止皿」は、フードを一度に口へ入れにくくし、食べる時間を延ばす方法です。
選ぶときは、犬の体格と鼻の長さに合うものを選びます。鼻の短い犬や口が小さい犬には、溝が深すぎる食器だと食べにくくなることがあります。使用後は、溝や突起の間にフードの粉や汚れが残っていないか洗って確認してください。
2. 1回分のフードを小分けにする
1回の食事を、時間を空けて2〜3回に分けて与えると、短時間に大量のフードを食べることを防ぎやすくなります。1日の総量を増やさないことが重要です。
- 1日に与えるフードの量を先に計量する。
- その量を複数回に分ける。
- 犬が落ち着いてから次の分を与える。
食事回数を変える場合は、犬の年齢、体格、健康状態に合わせて調整してください。子犬や持病のある犬は、自己判断で食事回数や量を大きく変えず、獣医師に確認するのが安全です。
3. フードを広げて与える
フードを平らなトレーや洗った床などに広げると、犬が一度に大量にくわえにくくなります。床を使う場合は、清潔で誤食する物がない場所を選んでください。
ドライフードを知育トイやフードマットに入れる方法もあります。ただし、犬が容器をかじって破片を飲み込むおそれがないか、使用中に確認してください。
4. 食事の場所を落ち着かせる
ほかの犬や人を気にして早食いしている場合は、食事中だけ別の部屋やサークルで与えます。ほかの犬と競争するように食べている犬は、食器を離して置くだけでは不十分なことがあるため、視線や距離も分けてください。
食事中に食器を取り上げたり、手を入れたりすると、かえって食べ物を急いで守ろうとする犬もいます。食事中は邪魔をせず、食べ終わって犬が離れてから食器を片付けます。
方法を選ぶときの目安
| 犬の様子 | 試しやすい方法 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 食器から一気に食べる | 早食い防止皿 | 犬の口や鼻に対して溝が深すぎないか |
| ほかの犬を気にする | 食事場所を分ける | 互いの食器が見えない距離にできるか |
| フードを丸のみする | 小分け、フードを広げる | 1日の総量を増やしていないか |
| 知育トイに興味がある | 知育トイやフードマット | かじって壊したり、部品を飲み込んだりしないか |
早食い防止を始める手順
- まず現在の1日のフード量を計量し、体重や便の状態を確認します。
- 犬が無理なく食べられる浅めの早食い防止皿、またはフードを広げられるトレーを用意します。
- 最初は、食べにくさが強すぎない方法から始めます。
- 食事中にむせる、食器を激しくかじる、食べられずに怒るなどの様子がないか見守ります。
- 食べる時間だけでなく、食後の吐き戻し、便、体重の変化も確認します。
早食い防止用の食器を使っても、犬が食べ物を出そうとして食器をひっくり返すことがあります。その場合は、食器の種類や難しさを変え、犬が無理なく食べられる方法に戻してください。
早食いを放置しないほうがよい理由
早食いは、フードを十分にかまずに飲み込むことや、食後の吐き戻し、むせの原因になる場合があります。また、大量に食べて腹部が張る犬では、緊急性の高い病気が疑われることもあります。
食後にお腹が急に張る、何度も吐こうとするのに吐けない、よだれが多い、苦しそうにする、ぐったりするなどの症状があれば、早食い防止の工夫を続けるのではなく、すぐに動物病院へ連絡してください。
早食いが急に始まったときは受診を検討する
以前は普通に食べていた犬が急に食欲旺盛になった場合は、生活環境の変化だけでなく、寄生虫、消化器の不調、ホルモンに関わる病気などが隠れている可能性もあります。早食いに加えて、体重の変化、嘔吐、下痢、水を飲む量や尿の量の変化がないか確認してください。
食後に毎回吐く、食べ物を飲み込むときに痛がる、咳やむせが続く、体重が減っている場合も、自己判断で食器だけを替えずに動物病院で相談しましょう。
最初は、1日のフード量を計量したうえで、食べやすい早食い防止皿か小分けから試します。食事中の様子と食後の体調を観察し、症状がある場合や急な変化がある場合は、獣医師の診察を受けてください。







