犬猫が誤食したときは、自己判断で吐かせず、食べた物と量を確認して、できるだけ早く動物病院へ連絡してください。吐かせる処置が適さない物もあり、塩水・牛乳・油・過酸化水素などを飲ませるのは危険です。
呼吸が苦しそう、意識がぼんやりしている、けいれん、繰り返し吐く、出血しているなどの症状がある場合は、確認に時間をかけず、救急対応が可能な動物病院へ向かいます。
犬猫が誤食した直後に行う応急処置
応急処置は「これ以上食べさせない」「情報を集める」「動物病院に相談する」の3つです。症状がなくても、毒性のある物は後から症状が出ることがあります。
- 犬や猫を誤食した物から離す。床に落ちた物や容器を片付け、追加で食べないようにします。
- 口の中に残っている物だけを、無理なく取り除く。意識がはっきりしている場合に限り、指で安全に取れる範囲にします。口の奥へ手を入れたり、噛む物を無理に引き出したりしないでください。
- 食べた物、量、時刻を確認する。商品名、成分表示、薬の名前、包装、残量を用意します。吐いた物がある場合は、写真を撮るか、可能なら袋などに入れて持参します。
- 動物病院へ電話する。犬か猫か、体重、年齢、誤食した物と量、時刻、現在の症状を伝え、受診方法の指示を受けます。
- 指示を受けたら、犬や猫を安静にして搬送する。吐かせるよう指示されていない場合は、食べ物や水を無理に与えず、キャリーケースなどで安全に運びます。
やってはいけない誤食対策
家庭で無理に吐かせるのは避けてください。吐いた物が気管に入ったり、食道を再び傷つけたりするほか、意識が低下している動物では誤嚥(ごえん)の危険があります。
- 塩水を飲ませる
- 牛乳を飲ませる
- 食用油や水を大量に飲ませる
- 指を入れて吐かせる
- 人間用の薬を飲ませる
- 獣医師の指示なく過酸化水素などを使う
「吐かせれば大丈夫」とは限りません。洗剤、漂白剤、酸・アルカリ性の薬品、尖った物、電池などは、吐かせることで口や食道への傷が悪化する可能性があります。
緊急受診が必要な症状
次の症状が1つでもあれば、電話で相談しながら、すぐに動物病院へ向かってください。症状が強い場合は、電話より搬送を優先し、移動中に病院へ連絡します。
- 呼吸が苦しそう、舌や歯ぐきが青白い
- 意識がもうろうとしている、倒れている
- けいれん、ふらつき、異常な興奮がある
- 繰り返し吐く、血を吐く、血便が出る
- 強い腹痛、腹部の張り、激しいよだれがある
- 水を飲めない、飲み込めない
- 薬、殺虫剤、洗剤、電池、金属、ひもなどを食べた可能性がある
症状が出ていない場合でも、誤食した物によっては早い処置が重要です。特に薬や化学製品は、少量でも犬猫の体重や成分によって危険性が変わります。
犬猫が食べると危険なことがある物
以下は、犬猫で中毒や消化管の障害を起こすことがある代表例です。実際の危険性は、種類、量、犬猫の体重、食べてからの時間によって異なります。
| 誤食した物の例 | 注意点 |
|---|---|
| チョコレート・ココア | 種類や量によって危険性が変わります。カカオ成分が多い物ほど注意が必要です。 |
| キシリトール入り食品 | 犬では低血糖などを起こすことがあります。商品名と成分表示を確認します。 |
| ぶどう・レーズン | 犬では腎臓への影響が問題になることがあります。食べた量が少なくても相談が必要です。 |
| 玉ねぎ・ねぎ類 | 加熱済みの料理やエキスを含む食品も含めて確認します。 |
| 人間用の薬 | 鎮痛薬、かぜ薬、抗うつ薬など、薬の種類によって症状が異なります。 |
| 猫に有害な植物 | 植物の種類によっては、猫で重い症状につながることがあります。 |
| 洗剤・殺虫剤・薬品 | 吐かせると粘膜を傷つける場合があります。容器を持って受診します。 |
| ひも・電池・尖った物 | 中毒だけでなく、消化管の閉塞や損傷につながる可能性があります。 |
食べた物が表にない場合も、「危険ではない」とは判断できません。商品名、成分、食べた量が分からないときも、動物病院に相談してください。
薬や洗剤が口以外についた場合
毛や皮膚についた場合は、犬猫がなめないようにし、付着した物の容器を確認して動物病院へ相談します。洗い流してよいかは成分によって異なるため、薬品の種類が分からないまま強くこすったり、別の洗剤を使ったりしないでください。
目に入った可能性がある場合は、こすらせず、動物病院へ連絡します。洗眼の方法や時間は付着物によって変わるため、電話で指示を確認してください。
動物病院に伝える情報
次の情報を整理すると、誤食への対応を判断しやすくなります。分からない項目があっても、連絡を遅らせないことが大切です。
- 犬か猫か、年齢、体重
- 誤食した物の商品名や成分
- 食べた可能性のある量
- 食べた時刻、または最後に確認できた時刻
- 現在の症状と、吐いたかどうか
- 持病や服用中の薬
- 包装、残った物、吐いた物の写真
包装がない場合は、食べた物の見た目、料理名、置いていた場所、残っている量など、分かる範囲で伝えます。
誤食後に症状がないときも受診するべき?
症状がないだけで様子見と決めないでください。成分によっては、食後すぐではなく数時間から数日後に症状が現れることがあります。また、症状が出てからでは処置の選択肢が限られる場合があります。
まずは誤食した物と量を確認し、動物病院へ電話してください。獣医師から自宅での観察を指示された場合は、観察する時間、受診に切り替える症状、食事や水の扱いを確認しておきます。
犬猫の誤食で最初にすること
犬猫が誤食したら、吐かせず、追加で食べさせず、包装や成分表示を持って動物病院へ連絡するのが基本です。呼吸困難、けいれん、意識低下などがある場合は緊急受診が必要です。
今まさに誤食が起きている場合は、この記事の確認に時間を使いすぎず、犬猫を安全な場所に移して、かかりつけまたは救急対応の動物病院へ電話してください。







