猫をキャリーケースに入れるときは、追いかけ回さず、キャリーケースを安定させてから落ち着いて入れるのが基本です。入口から入らない猫には、上部を開ける、キャリーケースを縦に立てる、タオルで体を包むなど、猫の性格とケースの形に合わせて方法を変えます。
猫をキャリーケースに入れる基本の手順
まずはキャリーケースの中にタオルを敷き、扉を大きく開けた状態で準備します。猫を部屋の中で追いかけると警戒が強くなるため、できるだけ静かな場所で行ってください。
- キャリーケースを滑らない場所に置く
床や壁に押しつけ、動いたり倒れたりしないようにします。扉は完全に開け、猫が足を引っかけない状態にしてください。 - 猫を正面からゆっくり近づける
大声を出したり、急に抱き上げたりせず、体を低くして猫の横側から近づきます。必要なら、好物のおやつや慣れたタオルを使います。 - 胸とお尻を支えて抱き上げる
片手で胸の前を支え、もう片方の手でお尻を支えます。足をばたつかせたまま無理に押し込まないでください。 - 頭からではなく、体全体を支えながら入れる
猫の体がケースの中に入ったら、すぐに扉を閉めます。扉を閉める人と猫を抱く人の2人で行うと、猫を安定させやすくなります。 - ロックを確認する
扉を閉めた後、留め具が確実にかかっているかを確認します。持ち上げる前に、猫が扉を押しても開かないかを確認してください。
入口から入らない猫の入れ方
入口で踏ん張る猫には、キャリーケースの形に応じて「上から入れる」「ケースを縦にする」「上部を外す」という方法が使えます。無理に押し込むのではなく、猫の体が自然に入る向きを選ぶことが大切です。
上部の扉から入れる
上開きのキャリーケースなら、猫の胸とお尻を支えて、体を垂直に近い状態でゆっくり下ろします。足だけを先に押し込まず、体全体を支えたまま入れてください。
ケースを縦に立てて入れる
前面の扉しかない場合は、キャリーケースを扉が上を向くように立て、猫のお尻側からゆっくり入れる方法があります。ケースが倒れないよう、壁や床でしっかり支えてから行ってください。
猫の体がケースの中に入ったら、ケースをゆっくり横向きに戻し、扉を閉めます。ケースを急に倒すと猫が驚いたり、体をぶつけたりするため、動作はゆっくり行います。
上部が外せる場合は分解する
キャリーケースの上部を外せるタイプなら、上部を外して下半分だけにすると、猫を上から入れやすくなります。猫が下半分に入ったら、上部を静かに戻して固定してください。
動物病院で強く抵抗する猫を診てもらう場合は、入口から無理に引き出さず、上部を外せるケースのほうが扱いやすいことがあります。
暴れる猫にはタオルを使う
猫が爪を出して暴れるときは、厚手のタオルで体を包むと、猫と飼い主のけがを防ぎやすくなります。ただし、顔を覆ったままにしたり、首や胸を強く締めたりしないでください。
- タオルを広げ、猫の近くに置く。
- 猫の体にタオルをかけ、前足と後ろ足が大きく出ないように包む。
- 頭と鼻は出したまま、胸を圧迫しないように抱える。
- タオルで包んだまま、キャリーケースにゆっくり入れる。
呼吸が荒い、口を開けて呼吸する、激しくもがき続けるといった状態なら、いったん中止してください。飼い主だけで対応が難しい場合は、動物病院に事前に相談し、来院時の入れ方を確認しましょう。
入れるときに避けたいこと
- 部屋中を追いかけて捕まえる
- 足やしっぽを引っ張る
- 頭だけを押し込む
- キャリーケースを急に倒す、振る
- 扉を閉める前にケースを持ち上げる
- 洗濯ネットなどに入れて長時間放置する
特に、猫の足やしっぽが扉に挟まった状態で閉めるのは危険です。扉を閉める前に、猫の体が奥まで入っているかを確認してください。
普段からキャリーケースに慣らす方法
通院直前だけキャリーケースを出すと、「キャリーケースを見ると嫌なことが起きる」と猫が覚えることがあります。普段から扉を開けた状態で部屋に置き、中で休めるようにすると、入れるときの抵抗を減らせる場合があります。
- 猫が普段過ごす場所にキャリーケースを置く
- 中に慣れたタオルやベッドを入れる
- 近くにおやつを置き、入ったら静かにほめる
- 猫が自分から入っても、すぐに扉を閉めない
- 慣れてきたら短時間だけ扉を閉め、すぐに開ける
キャリーケースの中で粗相をする心配がある場合は、底にペットシーツや洗えるタオルを敷きます。移動中はケースを水平に保ち、車内ではシートベルトなどで固定してください。
猫をキャリーケースに入れるときの判断ポイント
まず、猫が落ち着いているなら、正面からゆっくり抱えて入れます。入口で強く抵抗するなら、上部を開ける、ケースを縦にする、タオルで包むという順に、より入れやすい方法へ切り替えます。
猫が激しく暴れる、呼吸が苦しそう、飼い主がけがをしそうな場合は、無理に続けないでください。通院が必要なときは、キャリーケースの種類と猫の状態を動物病院へ伝え、対応方法を相談することが最初の行動です。







