犬のシニア期に必要な食事量の目安は?

犬のシニア期に必要な食事量の目安は?

犬のシニア期の食事量は、年齢だけで一律に決まりません。活動量や体重、避妊・去勢の有無、筋肉量、病気の有無によって必要なカロリーが変わるため、まずは現在の体型と体重を基準に調整します。

一般的には、シニア期に活動量が落ちると必要エネルギーも少なくなる傾向があります。ただし、食事量を急に減らすと筋肉が落ちることもあるため、体重と体型を見ながら少しずつ判断することが大切です。

シニア犬の食事量は「年齢」より体型と活動量で決める

同じ10歳の犬でも、毎日よく歩く犬と寝ている時間が長い犬では必要な食事量が異なります。また、食事量はフードのカロリーによっても変わります。

そのため、「シニア犬だから成犬用フードを何グラム減らす」という決め方ではなく、次の項目を確認します。

  • 現在の体重と、以前からの増減
  • 肋骨に触れられるか、腰のくびれがあるか
  • 散歩や運動の量
  • 避妊・去勢の有無
  • フードに表示された代謝エネルギー
  • 腎臓病、心臓病、糖尿病などの病気の有無

食事量を判断するときは、体重だけでなく体脂肪の状態も見ます。肋骨が軽く触れ、上から見たときに腰のくびれがある状態が、ひとつの目安です。肋骨が見えすぎる、または触れにくい場合は、単純に年齢だけを理由に食事量を変えないでください。

1日に必要なカロリーの計算方法

食事量をグラムで決める前に、フードのカロリー表示を確認します。同じ100gでも、フードによって含まれるカロリーが違うためです。

犬の安静時エネルギー要求量(RER)は、一般に次の式で計算できます。

RER=70×体重(kg)0.75 kcal/日

実際に必要な1日のカロリーは、RERに活動量などを反映した係数を掛けて考えます。ただし、シニア犬の係数に統一された正解があるわけではなく、健康状態によって大きく変わります。

計算例:体重10kgの犬の場合

仮に体重10kgの犬で計算すると、RERはおよそ394kcalです。仮に維持に必要な係数を1.4~1.6として計算した場合、1日の目安は約550~630kcalになります。

これは計算上の例であり、すべての10kgのシニア犬に当てはまる食事量ではありません。実際には、フードのカロリー表示と犬の体重・体型の変化を見て調整します。

たとえば、フードが100gあたり350kcalの場合、1日600kcalを与える計算では次のようになります。

600kcal÷350kcal×100=約171g

この量を1日に与える場合、必要に応じて朝夕などに分けます。おやつを与える場合は、そのカロリーも1日の摂取量に含めます。

ドッグフードの表示量を使うときの確認点

フードのパッケージにある給与量は、出発点として使えます。ただし、表示量は犬の年齢区分、体重、活動量などを基準にした目安で、すべての犬に合う量ではありません。

確認する項目は次のとおりです。

  • 「1日量」か「1回量」か
  • 体重の区分が現在の体重に合っているか
  • シニア犬、避妊・去勢犬、低活動犬向けの区分があるか
  • 代謝エネルギーが何kcal表示されているか
  • おやつやトッピングを別に与えていないか

ドライフードとウェットフードを併用する場合は、それぞれの給与量をそのまま与えるのではなく、カロリーを合計します。ドライフードを減らした分だけ、ウェットフードやトッピングを加えるようにすると、食べ過ぎを防ぎやすくなります。

食事量を減らすべきシニア犬、減らさないほうがよい犬

体重が増えている、運動量が減っている、避妊・去勢後に太りやすくなったという場合は、現在の摂取カロリーが多くなっている可能性があります。この場合は、フードの表示量やおやつを確認し、急に大幅に減らさず調整します。

一方、体重が減っている、食べているのに痩せる、筋肉が落ちてきたという場合は、シニアだからと食事量を減らすのは適切ではありません。歯や口の痛み、消化器の不調、腎臓などの病気が関係している可能性もあります。

状態 食事量の考え方
体重・体型が安定している 現在量を基本に、定期的に見直す
太ってきた おやつを含む総カロリーを確認し、少しずつ調整する
痩せてきた 自己判断で減らさず、食欲や体調を確認する
食欲が落ちた 食べやすさや口の状態を確認し、続く場合は動物病院へ相談する
病気の治療中 病気に合わせた食事内容と量を獣医師に確認する

シニア犬の食事量を調整する手順

食事量を変更する場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

  1. 現在のフード名、1日の給与量、おやつの量を記録します。
  2. フードのカロリー表示を確認し、1日に何kcal食べているか計算します。
  3. 体重を同じ条件で測り、体型や筋肉の変化も確認します。
  4. 太っている場合は、まずおやつやトッピングを含む総量を見直します。
  5. 量を変更する場合は、急に大幅に減らさず、少しずつ調整します。
  6. 変更後は体重、便、食欲、元気を記録し、数週間単位で変化を確認します。

体重が増え続ける、減り続ける、食欲や元気に変化がある場合は、さらに自己判断で調整を続けず、動物病院で相談してください。

病気がある犬は食事量より先に獣医師へ相談する

腎臓病、心臓病、糖尿病、膵炎、肝臓病などがある犬は、必要な栄養バランスや食事回数が健康な犬と異なることがあります。療法食を与えている場合も、フードの変更や量の調整を飼い主の判断だけで行わないことが大切です。

特に、食べない状態が続く、急に痩せる、水を飲む量や尿の量が変わる、嘔吐や下痢がある場合は、シニア期による変化と決めつけず、早めに動物病院へ相談してください。

まとめ:シニア犬の食事量は体重と体型を見て調整する

シニア犬の食事量は、年齢だけで一律に減らすものではありません。フードのカロリー、活動量、体重、体型、病気の有無を確認し、現在の状態に合う量を判断します。

まずは、フードの1日量とカロリー、おやつの量を記録し、体重と体型を定期的に確認してください。太ってきた場合は総カロリーを少しずつ見直し、痩せてきた場合や体調に変化がある場合は、食事量を自己判断で減らさず獣医師に相談しましょう。